当事務所の解決事例
2014.12.24
【No.004】30代男性が腰部の打撲と左腕の痺れで慰謝料を基準の2倍とした事例
相談者:男性Hさん(30代)
職業:運送業
傷病名:腰部打撲等
自賠責基準 | 交渉後 | |
治療費 | 750,000 | 760,000 |
通院交通費 | 16,000 | 16,000 |
入通院慰謝料 | 620,000 | 1,370,000 |
合計 | 1,386,000 | 2,146,000 |
背景
運送業のHさんは、夜にお酒を飲んで普通自動車の代行を頼み、助手席に乗っていたところ、代行運転手が一旦停止せずに交差点に進入したため、右側から交差点に進入してきた普通自動車と衝突しました。
事故後Hさんは救急車で病院に運ばれ、レントゲンとCTを撮りましたが、異常は発見されず、腰部打撲等の診断を受けました。その後は接骨院に通院していました。
事故から4ヶ月ほど経過したところで、感じなかった左腕の痺れを感じるようになったことから、事故後最初に救急車で搬送された病院でMRI検査を受診したところ、ヘルニアが発見されました。ところが、診察した医師は「左腕の痺れと事故との因果関係はない」という意見であったため、左腕の痺れについては保険会社は治療費も慰謝料も支払わないと言ってきました。
納得がいかなかったHさんは、弁護士に相談することにしました。
弁護士の関わり
まず、左腕の痺れに関して、後遺障害を獲得することができないか、検討をおこないましたが、痺れが発生したのが事故から4か月後のことであり、医師も事故と痺れとの因果関係を否定していたことから、後遺障害の申請をおこなっても認定を受けられる見込みはまったくないと判断しました。
そこで、現に痺れの症状が出ていることを理由に、慰謝料を通常の裁判基準よりも上乗せして獲得する方向で、交渉を開始しました。
受任後、最初の提示では、慰謝料の金額は裁判基準満額の78万円という提示でした。通常の場合であればこれで十分な金額なのですが、Hさんの場合は痺れが生じているという事情があるため、これを理由として慰謝料金額の増額ができないか交渉し、最終的に慰謝料金額を裁判基準を大幅に上回る137万円として示談することができました。
所感
事故から日数が経過してから痺れや痛みなどの症状が発生してきた場合には、後遺障害の獲得が難しいケースがあります。交通事故に詳しい弁護士に、診断書等の資料を精査してもらい、後遺障害が認定される見込みがあるのかどうか、判断してもらうとよいでしょう。
仮に、後遺障害等級の獲得が難しいケースであっても、痛みや痺れが残っていることそのこと自体を理由として、慰謝料を大目に獲得することができる場合もあります。
いずれにしても、交通事故に詳しい弁護士に一度ご相談をされることをお勧め致します。