当事務所の解決事例

2020.08.11

【No.096】後遺障害非該当の30代会社員の女性について、保険金・賠償金109万円の獲得に成功した事例

相談者:女性Aさん(30代)
職業:会社員
傷害の内容:頸椎捻挫、腰椎捻挫等

項目名 獲得金額
治療費 600,000円
通院交通費 20,000円
休業損害 270,000円
入通院慰謝料 800,000円
合計 1,090,000円

 

背景

30代会社員の女性Aさんは、自動車を運転して、雪の積もった狭い道路を直進進行していました。

そうしたところ、対向方向から、自動車がAさんの側に向かってきました。道路に雪が積もっていたため、すれ違うことが難しいと感じたAさんは、自車を停車させましたが、対向車両はそのまま走行してきて、結果、Aさん車両の右前部と対向車両の右前部が衝突しました。

Aさんは、この事故により、頸椎捻挫、腰椎捻挫等の怪我を負い、整形外科と接骨院に6カ月の間通院し、症状固定となりました。

弁護士の関わり

事故から2カ月半が経過した時点で、ご依頼をいただきました。

ご依頼後、まずは、物損に関する示談交渉をおこないました。

事故により、Aさんの車両は全損状態となってしまったことから、Aさん自身の保険から、車両保険金を受領しました。

そのうえで、相手損保からは、5:5という過失割合を前提に、検査手続費用、車庫証明手続費用等の相手方過失分すなわち50%である約2万円の支払いを得ることができました。

Aさんには、物損示談と並行して、治療に専念いただきました。なお、この事故は、Aさん側にも50%の過失が見込まれる事故であったため、治療費は、Aさん側の保険会社の人身傷害保険から支払いを受けていました。

事故から半年、ご依頼から3カ月半が経過した時点で、症状固定として、被害者請求の方法で後遺障害の申請をおこないました。

残念ながら、結果は非該当というものでした。異議申立をおこなっても、認定の見込みは低いと考えられたことから、その旨ご本人にお伝えし、後遺障害非該当を前提に、示談交渉を開始しました。

上述のとおり、本件事故は、Aさん側にも50%の過失が生じることが見込まれる事故(物損は5:5で示談)であったことから、相手損保に賠償請求をおこなうのに先立ち、Aさん側の保険会社に、人身傷害保険金の請求をおこないました。

すなわち、最高裁判例に基づき、本来、人身傷害保険金は、被害者の過失分に充当されるべきものです。

本件においても、人身傷害保険から、先に、治療費を除いて約83万円を受領したうえで、相手損保と賠償交渉を開始しました。

そうしたところ、相手損保からは、当初、入通院慰謝料につき、裁判をおこなった場合の80%として、総額約17万円を支払う、という内容の示談案が提示されました。

これを受けて、慰謝料について裁判基準の100%を目指し、交通事故紛争処理センター等への申立をおこなう、という選択肢もあり得たのですが、ご本人が示談解決を望まれたことから、示談交渉で到達できる限界の金額をもって示談することとしました。

結果、入通院慰謝料につき、裁判基準の90%を前提として、約26万円の支払を受けるという内容で、示談となりました。

所感

Aさんのケースは、衝突箇所が道路の真ん中あたりであったことから、どうしても、Aさん側に大きな過失が生じることが避けられない事故でした。

この点、人身傷害保険金は、本来的には、被害者側の過失に充当されるべきものです。

Aさんのケースのように、人身傷害保険を上手く活用することで、人身傷害保険金と相手損保からの賠償金とを合計すれば、被害者に過失が無かった場合と同額の支払を得ることもできます。

ただ、保険会社担当者は、この理屈を知っているのか知らないのか、被害者本人が自分の損保や相手損保に請求しても、まずこのような結果を実現することはできません。

交通事故に遭われた方は、ご自身にも過失が生じることが避けられない場合でも、是非一度、当事務所にご相談ください。