当事務所の解決事例
2021.01.19
【No.109】併合10級認定の40代会社員の女性について、賠償金1084万円の獲得に成功した事例
相談者:女性Yさん
職業:会社員
後遺障害の内容:併合10級
項目名 | 獲得金額 |
---|---|
治療費 | 980,000円 |
通院交通費(タクシー代含む) | 20,000円 |
入院雑費 | 80,000円 |
装具費用 | 70,000円 |
文書料・その他 | 30,000円 |
入通院慰謝料 | 1,600,000円 |
休業損害 | 650,000円 |
後遺障害慰謝料 | 5,500,000円 |
後遺障害逸失利益 | 5,390,000円 |
過失相殺(15%) | -2,140,000円 |
合計 | 12,180,000円 |
背景
40代会社員の女性Yさんは、原動機付自転車に乗って、信号機のある交差点を青信号で直進進行しようとしたところ、対向方向から右折進行してきた四輪車と衝突する事故に遭いました
Yさんは、救急車で総合病院に搬送され、腰椎圧迫骨折、仙骨骨折、腓骨骨折、腰椎横突起骨折等の診断を受け、そのまま2カ月弱入院しました。
退院後は、総合病院に約1年4カ月間通院し、症状固定となりました。
弁護士の関わり
事故から約半年が経過した治療中の段階で、ご依頼いただきました。
ご依頼後、約1年間は通院を継続されました。
事故から約1年半弱経過した時点で症状固定とし、後遺障害の申請をおこなったところ、脊柱変形として11級7号、排便感覚が鈍くなったことによる排便障害として11級10号、右下肢の痛み・シビレ等として14級9号、併合10級の後遺障害が認定されました。
認定された10級の後遺障害を前提に、相手損保に損害賠償の請求をおこなったところ、相手損保の回答は、治療費と若干の慰謝料内払等の既払い金を除き773万円を支払うというものでした。
当方の請求金額との開きが大きく、示談交渉での解決は困難と見込まれたことから、ご本人と相談し、交通事故紛争処理センターへの申立をおこなうこととなりました。
申立後、複数回の補充主張書面の提出を経て、7カ月程の期間を要しましたが、センターから、全ての既払い金を除き1084万円を相手損保からYさんに支払う内容のあっせん案が示され、このあっせん案を相手損保、Yさんが共に受諾し、和解成立となりました。
所感
Yさんのケースでは、認定された後遺障害が、脊柱変形、排便障害と言った、お仕事にどの程度の期間、どれくらいの割合で影響を及ぼすのか、問題になりやすいものでした。
後遺障害は、等級によって、14級5%、12級14%、11級20%、10級27%、9級35%、8級45%、3級より上は100%、と、後遺障害が労働に影響を及ぼす割合が、一応、定められています。
例えば、14級が認定された場合は、仕事をする能力が事故前の95%になった、3級より上の後遺障害が認定された場合は、まったくお仕事ができなくなった、という考え方です。
ただ、実際の賠償実務・裁判実務の場面では、必ずしも、定められた基準どおりの労働能力喪失率で、後遺障害逸失利益が算定されるわけではありません。
本件のように、認定された後遺障害が、脊柱変形や排便障害というものであった場合、果たしてその後遺障害によって、仕事がやりづらくなるのか、ひいては、収入が減るようなことがあるか、ということは、被害者の職種や実際の障害の程度などによる、ケースバイケースの判断になってしまいます。
ケースバイケースの判断になってしまうということは、計算式に当てはめれば誰が計算しても同じ結果になるのではなく、考え方によって賠償金額が大きく異なってしまうということなので、中立な第三者に判断を仰ぐ、という過程を経なければ、適正額の逸失利益は得られない、ということです。
Yさんのケースでは、示談交渉段階で相手損保が提示してきた逸失利益の金額は341万円でしたが、Yさんの事故前から症状固定後に至るまでの就労状況、後遺障害が業務に与えている具体的影響などを書面にして主張していくことで、あっせん案では、逸失利益として539万円が示されました。
交通事故の被害に遭われ、後遺障害が残ってしまったという方は、是非一度、当事務所にご相談ください。