当事務所の解決事例
2022.09.17
【No.173】12級7号認定の50代団体職員の男性について、保険金326万円の増額に成功した事例
相談者:男性Yさん
職業:団体職員
後遺障害の内容:12級7号
項目名 | 依頼前 | 依頼後 |
---|---|---|
治療費 | 3,460,000円 | 3,460,000円 |
入院雑費 | 140,000円 | 140,000円 |
通院費 | 0円 | 10,000円 |
義肢・眼鏡・松葉杖等 | 220,000円 | 220,000円 |
文書料 | 10,000円 | 10,000円 |
入通院慰謝料 | 610,000円 | 610,000円 |
休業損害 | 1,450,000円 | 1,450,000円 |
後遺障害逸失利益 | 3,020,000円 | 6,270,000円 |
後遺障害慰謝料 | 1,000,000円 | 1,000,000円 |
合計 | 9,910,000円 | 13,170,000円 |
背景
40代団体職員の男性Yさんは、普通乗用自動車を運転して公道を走行していたところ、自車前方を走行していた車両に自車を後ろから衝突させてしまいました。この衝突をきっかけとして、Yさん車両は前方車両の左側にいき、その後元々前方を走行していた車両の前を通って右側にいって、センターラインを割ってしまい、対向車線を走行していた普通乗用自動車と正面衝突してしまいました。
Yさんは、救急車で総合病院に搬送され、肋骨骨折、肝損傷、右足関節骨折等の診断を受けました。
Yさんは、総合病院に断続的に約4カ月間にわたって入院しました。並行して、退院している時には通院をおこない、約4年間にわたって治療を受け、症状固定に達しました。
なお、Yさんは、自分が加入していた自動車保険の人身傷害保険から治療費の支払いを受け、治療を行っていました。
弁護士の関わり
一度、治療終了間際の段階でご相談をいただきました。
ご自身の人身傷害保険に対する保険金の請求であったことから、治療が終了し、後遺障害認定を受け、保険会社から保険金の提示があった段階でもう一度ご相談いただきたい旨、お伝えしました。
この約2カ月後、保険会社から保険金の支払い提示があったということで、保険金増額の示談交渉のご依頼を受けました。
交渉開始後、最初に保険会社からなされた提案金額は、依頼前の提案金額から約174万円増額されたものでした。
さらなる増額を図るために、医療照会や診断書を取ったうえで何度か相手方とやり取りをおこなった結果、依頼前提案金額から326万円増額された金額で、双方了解することができました。
所感
Yさんのケースは、Yさんに100%の過失がある事故でした。
この場合、当然ですが、事故相手方に賠償金を請求することはできません。
自分の過失の方が大きい事故で怪我をし、治療を受ける場合、自分の保険に人身傷害保険がついていれば、人身傷害保険から、治療費や慰謝料、休業補償の支払いを受けることができます。
現状、ほとんどの自動車保険に人身傷害保険はついていますし、人身傷害保険は通常使用しても保険の等級は下がらない、つまり保険料が上がることはありません。
ここで、人身傷害保険金の算定基準については、保険約款で明確に決まっているため、弁護士を介入させたり訴訟を起こしたりすればそれだけで金額が増える、というものではありません。
特に、後遺障害が認定されていない場合、約款の算定基準で算定された慰謝料や休業補償を増額させる余地はまずありません。
ただ、後遺障害逸失利益については、人身傷害保険の約款ではかなり幅をもたせた定め方しかされておらず、弁護士を介入させない場合には、その幅のある中でかなり控えめな金額で算定された逸失利益が計上されている場合が多く、大いに増額の余地のある部分です。
Yさんのケースでも、認定された後遺障害は12級7号の関節機能障害で、生涯にわたって仕事や生活に影響を及ぼすものであるにもかかわらず、依頼前の提示案では、後遺障害が労働に影響を及ぼす期間を5年に限定して逸失利益が算定されていました。
交渉の結果、後遺障害が仕事に影響を及ぼす期間を17年間まで延長させ、ほぼ逸失利益のみの増額で326万円の増額を図ることができました。
交通事故に遭ったが自分の側の過失の方が大きく、人身傷害保険を使用して治療を受けている、という方は、是非、当事務所にご相談ください。