当事務所の解決事例

2023.02.04

【No.187】14級9号認定の50代兼業主夫の男性について、賠償金・保険金328万円の獲得に成功した事例

相談者:男性Sさん
職業:兼業主夫
後遺障害の内容:14級9号

項目名 獲得金額
治療費 760,000円
通院費 5,000円
文書料 10,000円
その他 5,000円
休業損害 415,000円
入通院慰謝料 1,195,000円
後遺障害慰謝料 1,100,000円
後遺障害逸失利益 550,000円
合計 4,040,000円

 

背景

50代男性Sさんは、普通乗用自動車を運転して公道を走行し、青信号で交差点に進入したところ、対向方向から右折してきた普通乗用自動車に衝突される事故に遭いました。

Sさんは、事故当日に救急車で総合病院に搬送され、全身打撲等の診断を受けました。その後、整形外科に約1年間に渡って通院し、症状固定となりました。

弁護士の関わり

事故の約1カ月後にご依頼いただきました。

ご依頼後、しばらくの間治療に専念いただいた後、症状固定に達したということで当事務所を通して後遺障害の申請を行ったところ、頸椎捻挫に端を発する頸部痛等の症状につき、14級9号の認定を受けることができました。

この後、本件事故は、Sさんの側にも過失が生ずる事故であったことから、先にSさんの加入している自動車保険の人身傷害保険金の請求をおこないました。

ところが、人身傷害の保険会社が、「相手方の過失が大きいので人身傷害保険は相手方と示談した後の後払いとなる」などと言って、人身傷害保険金の支払いを拒んできました。

そのため、人身傷害保険金の請求に関しても当事務所で正式に依頼を受けたうえで、人身傷害保険の支払いを求めそんぽADRセンター、というところに書面で苦情申出をおこないました。

その結果、苦情申出から半年ほど時間を要して、人身傷害保険金99万円の支払いを得ることができました。

その後、相手損保との交渉を開始しました。示談交渉段階における相手損保の回答は、人身傷害保険金と自賠責の後遺傷害分75万円を除き、約26万円を支払うという内容で、検討の余地がありませんでした。

そのため、交通事故紛争処理センターへの申立をおこないました。

センターの手続では、Sさんが兼業主夫になった実情などを主張しました。最終的に、すべての既払い金を除いて154万円を相手損保からSさんに支払うべき旨のあっせん案が示され、和解が成立しました。

所感

Sさんのケースでは、諸々のADR手続きを駆使して、考えうる最大限の金額を獲得できたことが特徴的でした。

前提として、被害者が加入している保険の人身傷害保険金は、現状の判例に従えば、被害者側の過失分に充当されます。

ただ、人身傷害保険金を被害者側の過失に充当させるためには、基本的に、相手方損保と示談して賠償金を受領するのに先立って、人身傷害保険金を受領する必要があります。

そして、相手損保と示談する前に人身傷害保険金を請求した場合、人身傷害保険の保険会社は、「相手方と示談した後で払います」、と、実質的に支払いを拒んでくる場合があります。

このような場合には、人身傷害保険の保険会社に対して裁判を起こせば支払いを得ることができるのですが、そこまでしなくても、これまでの当事務所の経験上、そんぽADRセンター、というADR機関に苦情申出をおこなうことで、同センターから損保に指導が入り、人身傷害保険金が支払われることになります。

Sさんのケースでは、そんぽADRセンターを利用して人身傷害保険金の支払いを受け、さらに、相手損保からは交通事故紛争処理センターを利用して賠償金の支払いを受けることで、Sさんに過失がないのと同等の金額を得ることができました。

交通事故に遭われお怪我をされたものの、自分の側にも相当過失が生じてきそうだという方は、是非、当事務所にご相談ください。