当事務所の解決事例

2023.03.14

【No.192】14級9号認定の70代自営業の男性について、賠償金200万円の獲得に成功した事例

相談者:男性Kさん
職業:自営業
後遺障害の内容:14級9号

項目名 獲得金額
治療費 310,000円
通院費 5,000円
文書料 5,000円
入通院慰謝料 970,000円
休業損害 150,000円
後遺障害慰謝料 1,100,000円
後遺障害逸失利益 760,000円
過失相殺(-30%) -990,000円
合計 2,310,000円

 

背景

70代自営業の男性Kさんは、普通貨物乗用自動車を運転して、信号機の無い交差点に差し掛かり直進進行しようとしたところ、左側から同じく直進進行しようと交差点に進入してきた普通貨物自動車に衝突される事故に遭いました。

Kさんは、事故翌日に受診した整形外科で頸椎捻挫、左肩打撲傷、左肩鎖関節挫傷、左肩腱板傷害の診断を受け、その後、整形外科に約半年間に渡って通院し、症状固定となりました。

弁護士の関わり

事故の約2週間後にご依頼いただきました。

ご依頼後、しばらく通院いただき、症状固定に達したということで後遺障害の申請を行ったところ、左肩の痛みの症状につき、14級9号の認定を受けることができました。

認定された等級を前提に賠償交渉をおこなったところ、最終的に、過失割合はKさん3割、慰謝料は裁判をおこなった場合と同額、休業損害と後遺障害逸失利益は確定申告書上の所得に固定費を加えた金額を基礎として算定された金額、にて、示談することができました。

所感

Kさんは、ご自身で確定申告をおこなっておられる自営業者でした。

自営業者の場合、売上から経費を除いた所得金額が、サラリーマンで言うところの税込みの総支給金額、すなわち年収金額となります。

ただ、交通事故の怪我による休業損害の算定に当たっては、年収金額は、所得金額にいわゆる固定経費の額を加えた金額とする、という考え方が取り得ます。実際、このような考え方に基づいて休業損害が算定された裁判例も存在します。

どういうことかと言うと、自営業者の方が、事故が原因でお仕事ができなかった場合、仕事にかかる資材や燃料代といった変動経費は仕事をしなければ支出を免れる反面、事業所の賃料や車の損害保険料といった固定経費は、仕事ができなくても支出を免れることはできません。

そうであるならば、事故に遭われてお仕事を休まれた自営業の方は、こういった休業中に支出せざるを得なかった固定経費も賠償してもらわないと、「事故に遭わなかったと仮定した状態」を実現することはできません。

Kさんのケースでも、確定申告書上の所得金額に、減価償却費、租税公課、通信費、損害保険料、修繕費、福利厚生費といった固定費を加えた金額を基礎とした休業損害の支払を得ることができました。

さらに、Kさんのケースでは、後遺障害逸失利益の算定の基礎となる収入も、所得金額に固定費を加えたものを前提として示談することができました。

交通事故に遭われてお怪我をされた自営業者の方は、是非、当事務所にご相談ください。