当事務所の解決事例

2023.07.13

【No.208】後遺障害非該当の30代自営業の女性について、賠償金100万円の獲得に成功した事例

相談者:女性Kさん
職業:自営業
傷害の内容:頚椎捻挫

項目 獲得金額
治療費 500,000円
通院交通費 50,000円
入通院慰謝料 860,000円
休業損害 70,000円
合計 1,480,000円

 

背景

30代自営業の女性Kさんは、普通乗用自動車を運転して公道を走行し、公道上に一時自車を停車させていたところ、Kさん車両の後方から進行してきてKさん車両を右側から追い越そうとした普通乗用自動車に衝突される事故に遭いました。

Kさんは、事故翌日に受診した脳神経外科クリニックで、頚部捻挫等の診断を受けた後、接骨院と整形外科に約半年間に渡って通院し、症状固定となりました。

弁護士の関わり

事故の5日後、という、直後と言える段階でご依頼いただきました。

ご依頼後、相手損保による治療費支払いは事故3か月間でもって打ち切られました。当事務所からも、主治医作成の医療照会回答書をもって治療費支払い延長の交渉を行いましたが、治療費支払いは延長されませんでした。

そのため、しばらくの間、治療費を立て替えていただきながら、通院いただきました。

事故から半年間の経過をもって、症状固定ということで後遺障害の申請を行いましたが、結果は残念ながら非該当でした。

Kさんの意向を受けて、異議申立は行わずに、非該当を前提に、賠償交渉を進めていくこととなりました。

当方から相手損保に賠償請求を行ったところ、相手損保も弁護士を介入させました。

相手弁護士の回答は、治療期間については、あくまでも相手損保が治療費支払い対応を行った3か月間であることを前提に、休業損害については一切認めず、既払い治療費を除いて約58万円を支払うというものでした。

賠償金算定の前提となる治療期間の認識に相違があり、示談での解決は困難と考えられたことから、交通事故紛争処理センターへの申立を行いました。

交通事故紛争処理センターにおいては、治療期間については当方認識の6カ月間としつつも慰謝料金額は裁判所の基準よりも若干減額され、休業損害についても一部認められた、既払い治療費を除いて約97万円を相手方が支払うべき旨のあっせん案が示されました。

当事務所の弁護士としては、事故によるKさん車両の損傷の修理費用が約14万円と決して客観的に規模の大きな事故ではなく、また休業損害の発生を証明する証拠もなかったことから、このあっせん案の受諾を前向きに検討することをKさんにお勧めしましたが、休業損害についての判断がどうしても納得できないというKさんの意向を受け、紛争処理センターでえの手続を取り下げ、訴訟を提起することとしました。

訴訟提起後、8カ月間ほどの期間を要し、紛争処理センターにおけるあっせん案よりも若干より増額した、100万円の支払いを受けるという内容で裁判官から和解案の提案を受け、この和解案でもって和解することができました。

所感

Kさんのケースでは、事故の直後からご依頼をうけていたことから、治療費打ち切りに対しても適切な対処ができました。

すなわち、Kさんが治療期間中において弁護士に依頼していなかった場合、Kさんは、相手損保から治療費を打ち切られた事故から3カ月をもってその後の通院を諦めていた可能性が濃厚です。

治療を止めてしまってから1カ月程度が経過してしまった場合、再開後の治療と事故との因果関係を認めさせるのは困難と言えます。

そして、事故から3か月間で治療を止めてしまった場合には、例えその後も痛みがあったとしても、慰謝料は通院3か月間を前提としたものにしかなり得ません。

Kさんのケースでは、相手損保からの治療費支払いを打ち切られた後も、症状がある以上は、自費で立て替えてでも通院されることを弁護士よりアドバイスさせていただきました。これにより、最終的には、立て替えていただいた治療費も回収できましたし、慰謝料も、実際に通院した事故から6カ月間を前提とした金額の支払いを得ることができました。

交通事故に遭われてお怪我をされた方は、ご依頼が早ければ早いほど、打てる手段は多くなりますので、是非、できるだけ早い段階で、当事務所にご相談ください。