当事務所の解決事例
2023.09.01
【No.214】併合8級認定の10代学生の女性について、賠償金4996万円の獲得に成功した事例
相談者:女性Oさん
職業:学生
後遺障害の内容:併合8級(高次脳機能障害、脊柱変形)
項目 | 獲得金額 |
---|---|
治療費 | 600,000円 |
装具費用 | 160,000円 |
通院交通費 | 2,000円 |
入院雑費 | 36,000円 |
入院セット | 12,000円 |
入院付添費 | 78,000円 |
通院付添費 | 59,000円 |
通学時交通費・付添費 | 95,000円 |
近親者の休業損害 | 14,000円 |
介護ベッド | 37,000円 |
文書料 | 11,000円 |
休業損害 | 180,000円 |
入通院慰謝料 | 2,190,000円 |
後遺障害逸失利益 | 55,919,333円 |
後遺障害慰謝料 | 8,300,000円 |
過失相殺(25%) | -16,923,333円 |
合計 | 50,770,000円 |
背景
10代学生の女性Oさんは、公道を友人と並んで歩行していたところ、後ろから走行してきた普通乗用自動車に衝突されるという事故に逢いました。
Oさんは、事故直後に総合病院に救急搬送され、腰椎骨折、胸椎骨折、外傷性くも膜下出血等の診断を受け、そのまま約24日間入院しました。その後、救急搬送された総合病院に1年1カ月間にわたって月に1,2回の頻度で通院し、症状固定となりました。
弁護士の関わり
事故の10日後という直後と言える段階で、ご両親を通じてご依頼いただきました。
治療後、症状固定に達したということで後遺障害申請を行ったところ、高次脳機能障害について9級10号、脊柱変形について11級7号、併合8級の認定を受けることができました。
後遺障害認定を受けて、相手方損保と賠償交渉を開始しました。
示談交渉段階における相手方損保の提案は、既払い金を除いて約4387万円を支払う、というものでした。
これは、逸失利益について、女子の学歴計全年齢平均給与額を基礎として、かつ、労働能力喪失率については9級の35%とするものでした。
当方としては、これを不服として、交通事故紛争処理センターへの申立を行いました。
交通事故紛争処理センターでは、相手方損保と何度か主張の応報を行いました。
最終的に、既払い金を除いて約4996万円の支払いをOさんが受ける旨のあっせん案が示され、このあっせん案でもって和解となりました。
あっせん案では、逸失利益について、男女学齢計全年齢平均給与額を基礎とし、かつ、逸失利益については、自賠責で認定された8級の45%とするものでした。
所感
Oさんのケースでは、相手方損保との間で、主に後遺障害逸失利益の考え方に関して、争いとなりました。
特に、逸失利益算定の基礎収入について、当方は、当初から、男女学齢計全年齢平均給与額を基礎とすべきと主張していたのに対し、相手方損保は、Oさんが女性であることから、女子の学齢計全年齢平均給与額を基礎とすべき旨、主張していました。
この点、特に、高校卒業までの女子の逸失利益については、男女間の賃金格差が是正されていっている傾向に鑑みて、女子ではなく、男女計の学歴計全年齢平均給与額を基礎とするのが、昨今の裁判例では一般的と言えます。
Oさんのケースでは、示談交渉段階から、逸失利益以外については妥当金額が計上されていましたが、紛争処理センターへの申立を行うことで、結果的に総計金額について600万円以上増額を図ることができました。
このように、未成年の賠償金の考え方は特殊な部分も多いため、特に弁護士の介入が不可欠であると言えます。
交通事故に遭われてお怪我をされた未成年のお子さんをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。