当事務所の解決事例

2024.07.22

【No.260】1級1号認定の20代会社員の女性について、保険金・賠償金合計2億7407万円の獲得に成功した事例

相談者:女性Hさん
職業:会社員
後遺障害の内容:1級1号

項目 獲得金額
治療費 3,870,000円
通院交通費 20,000円
通院交通費(両親) 10,000円
入院雑費 10,000円
通院付添費 10,000円
入通院慰謝料 2,420,000円
文書料 50,000円
休業損害 560,000円
後遺障害慰謝料 28,000,000円
後遺障害逸失利益 95,620,000円
将来介護費 137,730,000円
雑費 40,000円
家族改造費 1,320,000円
症状固定後の治療費等 180,000円
将来雑費 3,620,000円
福祉車両購入費 60,000円
福祉車両買替費用 280,000円
福祉介護用品費用 1,230,000円
福祉介護用品買替費用 6,590,000円
近親者固有慰謝料 6,000,000円
自賠責保険過失相殺差引分(‐40%) -26,810,000円
遅延損害金・弁護士費用等調整金 13,260,000円
合計 274,070,000円

 

背景

20代会社員の女性Hさんは、普通乗用自動車を運転して高速道路を走行し、燃料が切れたことから路肩付近に自車を停車させました。Hさんが自車を停車させて1時間ほど経ったところで、後方から走行してきた大型貨物自動車が、Hさん車両の後方に衝突する、という事故が発生しました。

Hさんは、事故直後に救急搬送された総合病院で、胸髄損傷、等の診断を受けました。Hさんは、断続的に、約170日間入院し、通院治療も受け、事故の約半年余り後に症状固定となりました。

弁護士の関わり

事故の6日後という、直後と言える段階で、ご両親を通じてご依頼いただきました。

症状固定後、後遺障害の申請を行ったところ、両手の巧緻運動障害・感覚障害及び両下肢の完全麻痺、という症状について、1級1号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」という後遺障害認定を得ることができました。

後遺障害認定後、示談交渉開始に先立ち、本件事故では、Hさん側にも4割程度、過失が認められることが予想されたことから、Hさんの過失分の補償に充当するため、先に、人身傷害保険金約8807万円の支払いを受けました。

示談交渉段階での相手損保の回答は、自賠責保険から支払われた4000万円、人身傷害保険から支払われた8807万円とは別に、約4040万円を支払う、というものでした。

当方の想定する金額との幅があまりに大きく、また、後遺障害等級が重く争点が多岐に上ることも予想されたため、訴訟を提起しました。

訴訟提起から8カ月ほどの期間を要し、裁判所から、自賠責保険金、人身傷害保険金とは別に、1憶4600万円の支払う旨の和解案が示されました。

Hさん側はこの和解案を受諾したのですが、相手損保は、当初、この和解案を拒否しました。

これについては、裁判官が、相手損保を粘り強く説得し、最終的に、相手損保も裁判所和解案を受諾しました。こうして、和解案が示されてからさらに4カ月ほどの期間を要しましたが、裁判所和解案の内容で和解することができました。

所感

Hさんのケースでは、後遺障害等級も重く、争点も多岐に上ることが予測され、かつ、当初、将来の再生医療費、という、現実的に支払いを得ることは難しいであろう損害項目を求めたい意向もあったことから、示談交渉が決裂した時点で、交通事故紛争処理センター申立ではなく、訴訟を選択しました。

交渉決裂後は、交通事故紛争処理センター申立、と、訴訟、という大きく2つの選択肢があり得ます。

当事務所においては、早期解決の観点から、交通事故紛争処理センターの方をお勧めする場合が多いですが、本件のように、当初から訴訟とする場合もあります。

すなわち、訴訟は、交通事故紛争処理センターと比較して時間もかかりますし、被害者本人の出頭を要する場合もある、というデメリットがありますが、過去の裁判例で認められていないようなイレギュラーな請求を行う場合には、訴訟をするしかない、という面があります。

Hさんのケースでは、訴訟提起から1年という、想定していたよりは早い段階で、和解することができました。尋問前の和解となりましたので、Hさん本人に裁判所に出頭いただくこともありませんでした。

金額的にも、将来の再生医療費用こそ認められませんでしたが、交渉段階から1億円以上増額した額で、和解することができました。

事故に遭われてお怪我をされた方は、是非、早い段階で、当事務所にご相談ください。