当事務所の解決事例

2024.08.27

【No.269】事故で亡くなられた60代会社員の男性について、賠償金5165万円の獲得に成功した事例

相談者:男性Sさん
職業:会社員
事故の内容:死亡事故

項目 獲得金額
治療費 80,000円
入院雑費 1,500円
入通院慰謝料 20,000円
逸失利益(就業分) 28,690,000円
逸失利益(年金分) 15,608,500円
葬儀費 1,500,000円
慰謝料 24,000,000円
遺族慰謝料 4,000,000円
過失相殺(-30%) -22,170,000円
合計 51,730,000円

 

背景

60代会社員の男性Sさんは、自転車を運転して公道を走行し、信号機で交通整理のされた交差点に至りました。おそらく、Sさんは、対面信号が黄色になったことを確認し、すぐに赤信号になると思い、交差点の直前に設けられた横断歩道付近を左から右にかけて横断を開始したようです。そこに、道路を横断しだしたSさんからみて右側から、黄色信号で交差点に進入しようと走行してきた中型貨物自動車に衝突される、という事故に遭いました。

Sさんは、救急搬送された総合病院で、頭蓋骨多発骨折、急性硬膜下血種、外傷背くも膜下血種の診断を受け、事故の約15時間後に亡くなられました。

弁護士の関わり

事故から1月あまり後、奥様はじめご遺族の方々からご依頼いただきました。

事故発生から、相手方に対する刑事処分の確定まで約9カ月かかりましたが、確定後、刑事記録を取得して、示談交渉を開始しました。

示談交渉段階での相手共済の回答は、支払額を約4000万円とするものでした。

当方としては、当然これを不服として、交通事故紛争処理センターへの申立を行いました。

申立後、相手共済は、Sさんの過失を50%として、約3475万円を支払う和解案を提示してきました。

申立後から3カ月ほどの期間を要し、あっせん案が示されました。あっせん案では、Sさんの過失は25%とされ、総支払額は約6341万円とされていました。

Sさんのご遺族としてはあっせん案の受諾が可能だったのですが、相手共済が受諾を拒否したため、あっせんは成立せず、名古屋の審査会における裁定手続へと移行しました。

審査会における裁定では、Sさんの定年後に見込まれる年収金額が低く認定されたこと、及びSさんの過失割合が30%とされたことにより、残念ながらあっせん段階よりも総支払額は減少し、約5165万円とされました。

Sさんのご遺族がこの裁定を受諾し、事故から約2年弱の期間を経て、和解成立となりました。

所感

Sさんのケースでは、相手共済が、交通事故紛争処理センターの金沢の相談室で出されたあっせん案の受諾を拒否したため、名古屋支部の審査会に移行しました。

交通事故紛争処理センターの手続では、まず金沢の相談室であっせん案が示され、多くの場合、このあっせん案で和解が成立します。

あっせん案で和解成立にならなかった場合には、名古屋支部の審査会において、裁定、が下されます。損保・共済側は、交通事故紛争処理センターとの協定により、この裁定を拒否することはできません。ただ、被害者の側は、受諾するかどうかは自由です。

Sさんのケースでは、相手共済があっせん案の受諾を拒んだために、審査にまでもつれ込むこととなりました。

当事務所の経験上、後遺障害14級までの事例で損保・共済側があっせん案の受諾を拒否することはほぼありえません。ただ、死亡事故等、重い事故になると、損保・共済側があっせん案の受諾を拒否し、審査会にもつれこむ傾向があります。

事故に遭われた方やそのご家族の方は、当事務所にご相談ください。