当事務所の解決事例

2020.10.14

【No.102】後遺障害申請をおこなわなかった30代会社員の女性について、賠償金90万円の獲得に成功した事例

相談者:女性Nさん(30代)
職業:会社員
傷害の内容:頸椎捻挫、腰椎捻挫

項目名 獲得金額
治療費 340,000円
通院交通費 10,000円
休業損害 150,000円
入通院慰謝料 740,000円
合計 1,240,000円

 

背景

30代会社員の女性Nさんは、自動車を運転して公道を走行中、後ろから来た車両に追突される事故に遭いました。

Nさんは、この事故により、頸椎捻挫・腰椎捻挫の怪我を負い、接骨院をメインに5カ月の間通院し、治療を終了しました。

弁護士の関わり

保険会社から治療費を打ち切られた段階で、弁護士にご依頼いただきました。

お話をうかがったところ、症状は完治はしていなかったものの、接骨院への通院がメインであったことから、後遺障害認定の見込みは高くはないことが予想されました。

後遺障害認定の見込みが高くはない旨と、後遺障害申請の前提として、最低でもあと1カ月間は通院が必要である旨お伝えしたところ、Nさんとして後遺障害の申請は希望されないとのことでしたので、示談交渉を進めていくこととなりました。

なお、休業損害に関しては、勤務先を休んだのは1日半だけとのことでした。

加えて、Nさんは、小学生2人の子育てをおこなっておられたものの、大企業のフルタイムの正社員で、年収も400万円~500万円とかなり高額であったことから、主婦としての休業損害を得ることも、難しいことが予想されました。

ただ、とりあえずは、主婦であることを前提に、休業損害を請求することとしました。

当方の請求に対する相手損保の最初の回答は、慰謝料については裁判をおこなった場合の80%として、なおかつ、主婦としての休業損害を14万円余りは認める、というものでした。

弁護士から、交通事故紛争処理センター、訴訟等の上の手続にもっていった場合には、休業損害についてどうなるかわからない、最悪、ゼロとされる可能性も十分にあることをお伝えし、提示金額をベースに、示談交渉の枠内で解決を図ることとしました。

最終的に、慰謝料について裁判をおこなった場合の約93%、休業損害について主婦としての休業損害14万円余りが計上された丸い金額90万円で示談となりました。

所感

Nさんのケースでは、Nさんの年収が高額であったことから、主婦としての休業損害を得ることは難しいことが予想されました。

すなわち、お仕事をしている方であっても、同居の夫や子どものために家事をされていた兼業主婦の方であれば、家事に支障があったことを理由として、380万円~390万円という女性の平均賃金を基礎とした休業損害を請求することができます。

ただ、裁判例では、女性の平均賃金を超える高額の給与収入を得ているケースでは、主婦とは言えないとして、主婦休損が否定されています。

交通事故紛争処理センターや訴訟では、過去の裁判例を参照して、あっせん、和解、判決が示されることになるため、過去の裁判例で否定されたものと同種の賠償金が認められるか、と言えば、難しいところがあります。

Nさんのケースでは、確たることは言えませんが、あくまで示談交渉の枠内で解決を図ったことにより、主婦としての休業損害を獲得できた可能性が高いです。

交通事故に遭われた方は、是非一度、当事務所にご相談ください。